捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路2006-08-15 Tue 03:45
![]() 2001年・学研。 パウル・カレルの古典的名著で、86年の訳本を再刊したもの。 彼の著作は「バルバロッサ作戦」しか読んだことはないが、 本作はそれを上回る興味深い内容だった。 西部戦線の捕虜たち。 意外に待遇が良く、その脱走計画は「大脱走」そのもの。 しかし、ドイツの収容所の待遇が悪いと、その報復を受けたり、 終戦間際の連合軍圧勝ムードでの待遇悪化、さらにはユダヤ人収容所の発覚によって、捕虜たちの扱いも最悪に。 なんと立場の危ういものなのだろうか。 東部戦線…。 地獄の戦場。収容所も地獄だった。 しかし、報復的観点というより、ソ連の経済状況の悪さによるものだという。 そして、軍の目を盗み、こっそりパンを手渡してくれるなど、市民の暖かい手助けがあったという。 似たような話を、友人の祖父から聞いたことがある。 捕虜たちの戦いは戦後も長く続いた。 戦後何年も経ってから収容所に入れられたSSもいた。 日本兵に関する記述も若干ある。 鉄条網越しに見える日本兵たちはドイツ兵に比べ、 規律正しい集団に見えたという。 日本人の書いた同様の本には、逆にドイツ兵の信念の強さが描かれていたが…。 隣の芝は青く見えるのだろうか。 とにかく読んで欲しい。 これは、読み応えという点で久々に良書であった。 |
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