よーそろー

日々のこと、映画、旅の感想・思い出などを書き書きします  by さぶろー

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鬼が来た!

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2000年。中国映画。
日本公開時、高校生だった さぶろー。そのタイトルと、日本兵が写ったポスターから、80年代の「紅いコーリャン」みたいな反日系中国映画だと思って観る気も起こらなかった。しかし…。今思い起こすと、当時もなんだかんだで絶賛されてたのを覚えている。 
前書きが長くなってしまった。
自信を持っていえるのは、この映画は、間違いなく大傑作だということ。
作り手の手抜きのない熱意が伝わってくる映画なんて、そう滅多にめぐり合えるものではない。この映画には、それがある。
何度も繰り返し見てしまった。ストーリーに関しては、他のサイト等でも紹介されているから、ここでは省く。

すごいと思った点として、日本人の描き方。まずこれを第一に挙げよう。海外映画で出てくる日本人、ましてや日本兵である。どんなトンデモ日本人が出てくるか、戦々恐々だった。それは、良い意味で裏切られたのだった。見た目だけでなく、内面まで、当時の日本人(当時に限らず、今にも通じる)の精神性が、描かれているのだ。むしろ、ああいった描き方は、日本人では描けない。
具体的にいうと、「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な精神性といえば良いだろうか。一般に道徳を重んじると自称する日本人だが、あくまで日本人という集団内であることが大きい。
「日本兵は規律正しかった」とか、逆に「三光作戦や南京大虐殺を行った残虐な集団」と両極端な論じられ方が多い。
当時の日本兵だって、普通の人間だ。しかも、大部分の兵士は、市井の生活を送ってきた徴集兵たち。
彼らは、当然優しい心を持っている。しかも、誰にでも暗く、残酷な側面を持っている。それがだ。
そんな人間描写は、日本映画では、特に軽視されがちだ。

そして、俳優たちの演技の素晴らしさ。よくもここまで…と思える素晴らしいキャスティングだ。無名(とまで言わないが)の役者を、どんどん起用してこんな映画が撮れたというのは、本当に素晴らしいことだ。(潜水艦映画の傑作『Uボート』にも同じことが言える』)
豪華なキャスト(演技力は疑問)ばかり並べれば良いと思ってる邦画界も見習ってほしい。
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花屋小三郎役の香川照之は、絶望・侮蔑・歓喜・悲哀・怒りといった人間の感情を、見事に演じきっているし、なにより、小隊長・酒塚猪吉役の澤田謙也がすごい。こんな威圧感のある陸軍将校を映画で観たことがない。マジで怖い。完全に帝国陸軍軍人。
中国人たちの描写も秀逸。
突然現れた日本兵・花屋と通訳・トンの出現にパニックになる村人たち。
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前半は、コメディーです。コメディー。主人公のマーや、長老、一太刀のリュウじいさんなど、いかにも中国人って感じでいい味を出してる。日本の占領下には「日本人は兄弟♪」とか歌ってる唄歌いが、終戦後国民党軍が入ってきたら、抗日の唄を歌ってたり(笑)
ラストは、衝撃的だった。まあ、一回観たぐらいでは、良く分からないところが多かった。
難点を挙げれば、セリフが早口かつ、聞き取りにくく、何回か観て「あ、そーゆーことか」なんてことも。
何かと話題になるどんでん返しの展開ですが、村の焼き討ちに関しては、決して理由の無い虐殺でないことも理解できる。実際、大陸で行われた虐殺行為ってのは、こういうパターンが多かったんだろうな、と思えるのだ。
隊長は、部下が監禁されたいた村の村人たちと宴を開く。彼らは笑ってる。実際部下を監禁していたマーという男は、誰かを呼びに…。日本軍の隊長は「あいつ、武装した奴らを呼びに行ったんだろう?銃は何丁だ?え?」と尋問するが、村人は笑いながら「身重のかーちゃんのとこだよ。ビビんなよ。へへへ。酒でも飲めや」とノリノリ。まあ、こんな齟齬から、修羅場になるんですが…。え?ネタバレ?すいません。
よーするに何が言いたいかっていうと、人は恐怖にかられると、とことん残酷になれるということ。ここにも「鬼」が潜んでいたわけだ。

あとすごいなのは、日本の映画じゃ出来ないようなセリフ。
今じゃ差別語のオンパレード。何度「支那畜生」と言ったことか。

今の日本映画はガンジガラメ?自由な表現って何?って考えてしまう。
ちなみに、この映画、中国じゃ上映禁止らしいっす。情けない中国人がたくさん出てるから?
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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

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